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黒之瀬戸 東シナ海と八代海が交錯する日本三大急潮

阿久根市と長島町の間には日本三大急潮に数えられる黒之瀬戸があります。東シナ海と八代海をつなぐ壮大な瀬戸で、急激に狭くなった海峡を流れる潮流は激しく、干潮時には渦潮が発生。その景色は古くから交通の難所として、また薩摩の国境として重視されてきたロマンが甦る絶景です。黒之瀬戸大橋、梶折鼻公園展望所、イルカウォッチング、絶好の釣り場が点在するレジャースポットとしても人気を集めています。

万葉集にも名を残す景勝地の大迫力うず潮

東シナ海と八代海をつなぐ海峡、黒之瀬戸。長さは4㎞ほどでその幅は500mとかなり狭く、最速12ノットとも言われる早い潮の流れを生みます。そのため干潮時には渦潮が発生し、大潮にはさらに急潮となって大小の渦を見せてくれます。特に干満の差が激しい3月下旬から4月にかけての渦潮は大迫力。その景観は昔「薩摩の隼人の瀬戸」と言われ、長田王が詠んだ「隼人の薩摩の迫門を雲ゐなす遠くも吾はけふみつるかも」という歌などで万葉集に名を残しています。万葉集の中で詠まれた土地を特定できる最南限の地がこの「隼人の瀬戸」です。
藩政時代は藩営の渡船が瀬戸を行き来し、明治維新以降も就航していましたが1974年に架けられた黒之瀬戸大橋によって長島と陸続きに。天草、長崎方面への交通の要所ともなっています。

万葉集にも名を残す景勝地の大迫力うず潮

黒之瀬戸を見るなら梶折鼻公園展望所

黒之瀬戸のほぼ中央、海峡がもっとも狭くなった所にある岬の突端を梶折鼻と呼びます。狭いため潮の流れが激しく、大昔ここで梶を折った船が折口海岸に流れ着き岩になった、という伝説が残るほどの難所でした。現在は黒之瀬戸大橋の橋脚が近くに見え、渦潮や海峡の景観を眺める黒之瀬戸観光の中心スポット。海沿いの見晴らしのいい場所に展望所もあり、周囲に植えられた桜が満開の時期は薄いピンクの花と黒之瀬戸の潮の流れのコントラストが圧巻です。海峡沿いに作られた眺めのいい遊歩道は散策やランニングに最適。夜は空いっぱいの星空も必見です。

黒之瀬戸を見るなら梶折鼻公園展望所