黄色く実ったボンタンに彩られた阿久根路を、全国各地から集まったランナーが駆け抜ける「あくねボンタンロードレース大会」。同大会には、北は千葉県から南は鹿児島県奄美市、6歳から92歳まで、2,000名を超える参加者が集まります。沿道の声援を背に受けるコースは、豊かな自然にあふれ、旬のボンタンのさわやかな香りが広がります。冬の到来を告げる阿久根市の一大イベントです。
昭和59年の第1回大会開催以来、30年以上にわたる長い歴史を誇る「あくねボンタンロードレース」。近年の健康ブームに先駆けて、参加者の健康と体力の維持増進を目的として始まりました。第1回から第5回大会までは3km、5km、10kmの3コースで実施。第6回大会からハーフマラソンが始まり、第10回から3年間にわたりフルマラソンに変更されたものの、コースの見直しがあり、第13回大会からは3km、5km、10km、ハーフマラソンの4コースで継続されています。
ハーフマラソンの大会記録は、1時間05分41秒。最多参加者数は、第8回大会の3,819人です。また、ボンタンの香りとともに、旬の味覚を満喫できるのもこの大会の特徴のひとつ。場内では「特産品フェア」も同時開催され、食のまち阿久根の魅力もアピールしています。
ロードレースの参加資格は、小学生以上の男女。健康で体力に自信のある人なら誰でも参加できます。記録に挑戦する人から、家族や仲間同士の交流を深めながら走りたいという人まで、ランナーの目的は十人十色。一人ひとりが自分の体力や目的に合わせたコースを選び、自分のペースでレースを楽しむことができます。
レースは、男女別・年齢別で競い、各種目の1位から3位にはメダルと賞状を授与。参加者全員に参加賞と完走者には完走証が贈呈されるほか、80歳以上の参加者には長寿賞、九州外からの参加者には遠来賞が贈られます。
阿久根路を駆け抜け、ゴールインを果たしたランナーには、うれしいご褒美の数々が待っています。着順ごとに行われるのが、空くじなしの抽選会。ボンタンをはじめとした地元の農産物や焼酎などの特産品が当たります。また、冬の雨で冷えた体を温めてくれるのが、出来立てのきびなご汁。焼き立てのイワシの干物やふかしたサツマイモ、漬物なども振る舞われます。阿久根市の旬の味覚に舌鼓を打ちながら、家族や仲間たちと語らいのひとときを過ごしたランナーたち。寒さをものともしない明るい笑顔は、充実感と達成感にあふれています。
会場で最も人目を引くのが、約3メートルの高さにそびえるボンタンピラミッド。生産量日本一を誇る阿久根市特産のボンタンを約1,000個も積み上げています。大会のモニュメントとして、地元ではすっかりおなじみ。もちろん撮影スポットとしても大人気です。 レースを終えたランナーたちが次々と訪れ、ポーズをとるのが恒例。 閉会式を終えると,約1,000個のボンタンは希望者に配られます。
種目 | スタート時間 | 制限時間 |
---|---|---|
3km(小学生男子) | 午前9時15分 | 30分 |
3km(小学生女子・ファミリー) | 午前9時45分 | 30分 |
ハーフマラソン | 午前10時15分 | 3時間00分 |
3km(中学生以上) | 午前10時30分 | 30分 |
10km | 午前11時00分 | 1時間30分 |
5km | 午前11時10分 | 50分 |
阿久根総合運動公園陸上競技場がレースの発着点。ハーフマラソンは、海抜39mのスタート地点から5km走ると最下点の海抜15mに達し、そこから最高点海抜57mの折り返し地点へと到達する、アップダウンの多いコースです。沿道にはのどかな田園風景が広がり、黄色く色づいたボンタンが甘酸っぱい香りを運んできます。胸いっぱいに吸い込むのは、緑に育まれた清涼な空気。
地元の温かい声援を背に受けながら、自分のペースで走れます。