肥薩おれんじ鉄道阿久根駅をリノベーションし、平成26年5月3日にオープンした「にぎわい交流館 阿久根駅」。"まちの迎賓館"、"まちの公民館"をコンセプトにした駅舎は、工業デザイナーの水戸岡鋭治さんがデザインしています。木をふんだんに使用した落ち着いた雰囲気の館内には、多目的に利用できる待合室や、図書コーナー、キッズコーナー、カフェ、食堂、売店などが整備されています。
大正11年、鉄道省の川内線阿久根・西方間開通に伴い、開業した阿久根駅。第二次世界大戦で一度は消失したものの、昭和24年に現在の原型である阿久根駅舎が完成しました。国鉄およびJR九州時代には、特急停車駅としてにぎわっていましたが、平成16年3月、九州新幹線開業に伴い、第三セクター肥薩おれんじ鉄道に移管されました。この間、時代の変化に合わせて少しずつ改修を重ね、65年にわたり利用された阿久根駅舎。肥薩おれんじ鉄道開業から10周年を迎えた平成26年、にぎわい交流館 阿久根駅に生まれ変わりました。
市民の思い出や愛着を大切にしたいという思いから、建物を活かしてリノベーション。新しさと懐かしさを併せ持つ新駅舎は、JR九州のクルーズトレイン「ななつ星in九州」や肥薩おれんじ鉄道の観光列車「おれんじ食堂」を手掛けた工業デザイナーの水戸岡鋭治さんによるデザインです。
にぎわい交流館 阿久根駅は、阿久根市の玄関口として、お客様を市民がおもてなしする「まちの迎賓館」であると同時に、地域の人々が集い、交流し、憩いの場として活用される「まちの公民館」としての役割も兼ね備えています。外観は旧駅舎のイメージを残しつつ、落ち着いた色合いでまとめられ、内装には木材をふんだんに使用し、落ち着いた雰囲気を醸し出しています。
ホテルのロビーを思わせる待合室は、"迎賓館"のイメージにぴったり。ミニコンサートやマルシェ、ギャラリーなど多用途に使えるようデザインされています。列車を待つ間に利用できるのは図書コーナー。市民から提供されたさまざまなジャンルの本を自由に閲覧できるほか、徳間書店発行の絵本を購入することも可能です。また、木の玩具をそろえたキッズコーナーも完備。子どもたちに笑顔が溢れると、まちが元気になり、活性化につながるという思いが込められています。安心して遊べるキッズコーナーに隣接しているのは、自然光が優しく差し込むカフェ。コーヒーを片手にのんびり読書をしたり、交流のひとときを楽しんだりと、思い思いに過ごすことができます。
旅の思い出づくりに欠かせないのが、グルメとショッピング。にぎわい交流館 阿久根駅には、自慢の逸品を揃えた売店とレストランも完備されています。
阿久根市の豊富な特産品の中から選りすぐりのものだけを並べているのは、阿久根屋。鹿児島県水産物品評会で最高位の農林水産大臣賞に輝いた「旅する丸干し」や、北薩の美味しいものを集めた「正直茶屋」ブランドの商品などが揃っています。
観光客はもちろん、市民にも親しまれているのが「阿久根屋食堂」。漁港のまち・阿久根の新鮮魚介を味わえるメニューや、阿久根市産の卵でつくるカルボナーラが人気です。食事メニューだけでなく、イートインもテイクアウトもできるスイーツやドリンクも充実。季節のメニューも登場するので、訪れるたびに新しい発見がありそうです。
MAP&INFOMATION